++空模様 恋模様++

小説や詩などを ただ思ったままに。

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■ 2007-08-06(Mon)

柚木、創始それから名前だけ出てきている久遠は
アカデミーに同時入学したいわば同級生。
アカデミー内ではいつも行動を共にしている。
長身で整った顔をした柚木と、スポーツが得意でお人よしな創始に挟まれると
久遠はどうしてか少し幼く見えた。
グレイのしっぽみたいな後ろ髪を後ろで1つに結んでいる。
それを揺らしながらアカデミーを走り回っている姿はもはや有名だ。

柚木と創始はアカデミーを後に、街外れにある久遠の工房に向かった。
石畳の町並みに石造りの家々。
アカデミー生徒が利用する商店や食堂街など。
首都に比べると小さいがそれでもまずまずの大きさの町だ。
久遠の工房はその町を抜け少し丘を登った小さな森の中にある。
道場をしていた祖父が首都で大きな道場を開くからと、古い道場を工房として譲り受けたと二人は聞いていた。
森に入って数分、目の前が開けるとそこにはレンガで造られ大きな煙突がついている建物が見える。
「久遠、いる?」
創始が木製のドアを開けると中では久遠が忙しそうに動き回っていた。
「入るぞ?」
「おー創始―柚木―」
二人の姿を見て久遠は動きを止めた。
部屋の真ん中に置かれた大きな釜には火がたかれ、その脇のテーブルの上にはそこに入れるであろう材料がいくつか用意されていた。
「なにやってんの?」
その材料の1つを手に取り創始が呟く。
「じいちゃんから傷薬作ってくれって言われててさ」
「え?!!」
創始と、本棚の本を見ていた柚木は一斉に久遠のほうを向く。
「お前、傷薬作れんの…?」
「なんとか出来そうじゃん!何事も挑戦挑戦☆」
イエイ!と親指を立ててみせる。
「お、俺…ココにいるの怖くなってきた…」
創始がソーっと柚木の隣にたつ。
柚木も口端がヒクついている。
「さっさと用意済ませて帰るか…」
二人はブツブツ言いながら釜に材料を入れる久遠の背中に微かな恐怖を感じた。
「久遠、黄金蜂の針…余ってるか?」
柚木の言葉に久遠が振り返る。
「昨日創始にもらったのがあるけど、その籠んなかから持ってっていいよ!」
そういうとまた材料と釜に向き直った。
柚木は指差された籠を窓際の棚に発見し、そこから必要な黄金蜂の針を5つ手に取った。
その時二人は信じられない言葉を耳にする…

「なぁ、青トカゲの骨がないんだけど、赤トカゲのでいいかな?」
「え??」
我が耳を疑う。
「いいよな!よし、入れちゃお」
「待て!入れるな!!!!」
創始が手を伸ばす。
が、一歩遅く久遠の手から小さく砕かれた粉が釜の中へと滑り落ちていた。
「あれ?ダメだった??」
「ば、バカか!!!赤トカゲは…」
柚木と創始が怒鳴り終わる前に大きな爆発が3人を包んだ。


ドン!!!!!


爆風と共に3人は外に放り出された。
「…テテ…」
草むらの感触を感じながら創始が起き上がる。
少し離れた所で柚木も起き上がっているのが見えた。
「大丈夫か?」
創始は柚木に近づき手を差し出した。
明らかにムスっとした顔の柚木が創始の手を掴み立ち上がる。
「二人とも大丈夫?!」
久遠の声を聞いた瞬間柚木の顔が引きつるのを創始は見逃さなかった。
「いやぁ!ビックリしたぁ!すごかったな!」
ケラケラと笑いながら久遠は煙が立ち昇る自分の工房を見上げた。
「でも、なんで爆発したんだろ…」
腕を組み、うーんっと首をかしげる。
そして「な?」と二人のほうを振り向いた。
それと同時に柚木のゲンコツが久遠の脳天にヒットした。
「ってー!!!!!!!!!!!!!!!」
「お前は…バカか?!!!!!!!」
「いてー!なにすんだよ柚木?!!!」
「傷薬作るのに赤トカゲ入れる奴がどこにいんだよ!」
「青トカゲがなかったから赤トカゲでもいっかなぁって思って」
頭をさすりながら「えへ」と笑う。
「赤トカゲは爆弾を作るときの材料だ!ぶわぁか!!」
「あれ?そうだったっけ…ま、また作ればいいし!悪かったって」
悪気のない笑顔に柚木はそのままうなだれてしまった。
それをみて創始はもう苦笑しかでてこず、当の久遠は煙が引いたのをみて工房へと笑いながら戻っていく。
「取り合えずもらって帰ろうぜ」
創始の言葉に柚木も工房へ向かった。
「散らかった。柚木!掃除ホウキ貸してv」
「先に黄金蜂の針よこせ…」
ん。と手のひらを差し出され、久遠は「あ…」とバツの悪そうな笑顔を向ける。
「窓際に置いてたからさっきので吹っ飛んじゃったv」


「…」


「なぁ、柚木どうしちゃったの?」
「あいつの夏のバカンスもさっきの爆発と一緒に飛んじゃったわけよ」
「??」

■ 2007-08-04(Sat)

王国暦630年。
この国に錬金術師を育てるアカデミーが出来て100年。
この年創立100年を迎えたアカデミーはあるイベントを行うことになっていた。

掲示板を前に群がる錬金術師の卵たち。
本編の主人公の一人でもある柚木も例外ではなかった。
「ふーん」
分厚い本を脇に抱え、空いた方の手で軽く髪をかき上げる。
薄くオレンジがかったストレートの髪がサラッと指の間から滑り落ち、切れ長の目に軽くかかる。
「…っと、課題の材料材料」
あまり興味がないのか柚木は掲示板の内容をサラッと流し人山を抜けた。

「いらっしゃいですわ」
アカデミー内にある購買。
錬金術に必要な材料や道具、参考書などが置いてある。
「エイミー、黄金蜂の針が欲しいんだけど」
カウンターに軽く上半身を乗せ店番の少女に顔を近づけた。
「柚木さん顔が近いですわ」
ニッコリと微笑まれ「あ、そう?」と上体を起こす。
「で、ある?」
「残念。今朝売ったので最後でしたわ」
ほほほ。と笑うエイミー。
「最近品揃え悪くない?」
少々ムッとしながら柚木は購買部の中を見渡した。
少し前から品物の数は激減、棚や籠の中はガランとしていた。
エイミーは柚木の言葉に「ふー」とため息をつく。
「仕方がありませんわ。首都アビベリーと繋がる橋が壊れてますもの」
「って言われてもなぁ。課題出来なきゃ落第だしな」
と言いつつあまり困った様子はみてとれないのが柚木である。
涼しい顔でポリっと耳の後ろをかいた。
「何でしたら、ご自分で採りに行かれたらどうです?黄金蜂なら裏の森に行けばいると思いますよ」
「ま、考えてみるよ」
そういうと軽く手を上げ購買部を後にする。
購買部を出るとまだ掲示板に群がる生徒たちがいた。
柚木はその中に知った顔を見つける。
「…創始?」
名前を呼ばれた生徒は群がる生徒たちの一番外側で、ズボンのポケットの両手を突っ込んだ格好で掲示板を遠めに見ていた。
「よぉ」
柚木に気づきゆっくり歩いてくる。
「なにやってんの?」
短髪より少し長い髪をツンツンと立てた黒髪は大きい目に良く似合っている。
だが可愛いという感じではなくありふれたどこにでもいるような男の子だ。
柚木と並ぶから余計にそう見えるのかもしれない。
2人は並んで歩きだした。
「黄金蜂の針が切れてさ、課題に行き詰った。お前持ってる?」
「ない。昨日久遠に残ってる分全部やったからなぁ。今行けばまだ残ってるかもよ?」
創始の言葉に柚木は軽く肩を落としため息をつく。
「昨日?くそ…先に創始んとこ行きゃ良かった」
それを横目に創始は「ははっ」と笑い「付き合うよ」と柚木の肩を叩いた。

■ 2007-08-04(Sat)

開成学院の錬金術師たちはオリジナルで書き続けているオリジナル小説
開成学院高等部のファンタジーシリーズとして書き始めたものです。


キャラのイラストなどオリジナルページはこちらになります。
開成学院高等部


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